カードもダイスも妖怪ばっかり! 川を渡れずに後悔ガッカリ!『美徳 日本語版』のご紹介。

 

こんにちは! ケンビルのぬんと申します!

 

先日、

◆美徳 日本語版
◆リビング・フォレスト 日本語版

について予約受付を開始いたしました。

既にどちらもたくさんのご予約をいただいておりまして、大変嬉しく思っております。
ありがとうございます!

 

本日は、その中でも『美徳 日本語版』のことをもっと皆様に知っていただきたい!ということで、

・どんなゲームなのか
・どんなところが面白いのか

について、ざっくりご紹介していきたいと思います!

ご予約やご購入の参考にしていただけますと幸いです。

 

美徳 日本語版
希望小売価格:10,780円(税込)
一般発売日:2022年 9月 2日

プレイ人数:1~4人
対象年齢:14歳以上
プレイ時間:120分

ゲームデザイン:Germán P. Millán
原題:Bitoku

「美徳 日本語版」予約ページ

 


 

『美徳』(原題:Bitoku)は、Germán P. Millán氏の2021年作品。

オリジナルパブリッシャーは、ケンビルとは初めてのお付き合いとなるDevir社

日本では、すごろくやさんより日本語版がリリースされている『赤の大聖堂』がよく知られているかと思います。

 

昨年のエッセンから大きな注目を集めてきた『美徳』。

これまでDevir社ってそこまでずっしずしに重たいゲームを出す印象がなかったのですが、公称120分というヘビーなところを攻めてきたのにも驚きですし、それがしっかり評価されてるんだからすげぇなという感じです。

その気になるゲーム内容、しっかりとチェックしていきましょう!

 


 

まず触れておきたいのはこの世界観

日本の神話や伝承・妖怪譚に大きな影響を受けているという本作。

よく言えば馴染み深く、意地悪を言えばどうもエセ日本感が漂っててちょっとアレな感じ、ストレートに言ってしまえば「君ら絶対もの◯け姫好きでしょ」といったところでしょうか。

ルールブック巻末の謝辞でも、宮崎駿氏へのリスペクトが公言されています。海外人気も高いのねえ。

 

ストーリー的には、森を守る大精霊がいよいよ役目を終え、後継者を1人決めなくちゃ、みたいな感じ。

プレイヤー達はその候補者である「美徳の精霊」となり、自分こそが大精霊の後釜に相応しいということを、美徳点(いわゆる勝利点)を集めることで証明していきます。

 


 

では早速中身を……とその前に、ちょっと箱持ってみ?

見た目的にはスタンダードな正方形大箱サイズ、厚さはちょっとぶ厚めかしらといった具合ですが、とにかく物理的にめちゃくちゃ重たいのよ!

うっかり片手で持とうものなら手首が持っていかれます。

 

それもそのはず! 箱を開けると!

 

わーお……

 

木駒類174個、タイル153枚、カード111枚をふんだんに詰め込みました。

この物量こそが妖怪じゃん。もののけじゃん。

 

 

勢いそのままにセットアップ! メインボードがデカ過ぎて全然写真に収まりません。

大量のタイルをほぼほぼ全部1枚のボードに乗せるという狂気の仕様。

 

ちなみに、1~2人プレイ時と3~4人プレイ時でボードの使用する面が変わります。

3~4人プレイ面はダブルレイヤーになっており、対応する打ち抜きパーツをはめ込んでようやくメインボードが完成する仕組み。

世の中には「コンポーネントで豪華感を醸すためのコンポーネント」なんかもあったりしますが、『美徳』はゲーム性を妥協したくないが故にこうなっちゃってる感がめちゃくちゃ好印象です。不器用かよ。

 


 

さて、いよいよゲーム内容に切り込んでいきたいと思いますが……

内容物から想像していただける通りルール量も大変なことになっているため、エッセンスだけかい摘んで一気に行くぞ一気に!

 

ゲームは4ラウンドに渡って行われ、各ラウンドは春夏秋冬の4フェイズから成ります。今年の夏はどこに行こうか!

 

 

 

春! 詳細は省きますが、各プレイヤーは以下のものを持った状態になります。

・自分の手札妖怪カード3枚

・自分の個人ボード上に未解放のダイス3個

 

妖怪カードは自分の初期デッキからドロー。デッキ構築っぽい動きをすると思っていただいて大丈夫です。

河童や狐、真狼など、ジャパニーズな感じの妖怪?たちが描かれていますね~~

この芋虫なんかの映画で見かけませんでした?とか言ってはいけない。

 

3個のダイスも、プレイヤーに力を貸してくれる守護妖怪という設定になっています。

個人ボード上の赤色のダイススペースに置かれていますが、これは未解放の状態。

これらのダイスが力を発揮するためには、後述の方法で開放する必要があります。

とりあえず、「こいつらはまだ使用禁止なのね」ぐらいに思っておいていただければOKです。

 

 

 

夏! このゲームのメインどころ!

手札の妖怪カードや解放済みのダイスを使ってアクションをやっていきましょうのコーナーです。

 

自分の手番が来たら、以下の4つの選択肢から1つを選んで実行します。

①妖怪カードを1枚出す!

②解放済みのダイスを1個置く!

③配置済みのダイス1個で川を渡る!

④パスをする!

順に見ていきましょうね。

 

 

 

①妖怪カードを1枚出す!

手札の妖怪カード1枚を選んで……

 

こう!

個人ボード上にある3つのカードスペースのうち、空いている任意の場所に置きます。

 

 

妖怪カードのプレイにより、良いことが大きく2つあるぞ!

 

ひとーつ! ダイスが解放される!

カードを置いたスペースの横にあるダイス!

これを緑色のスペースへとグイッと押し上げることで、解放させます。ダイスが1個使えるようになったじゃん!

 

ふたーつ! カードに描かれたアクションができる!

行け! 芋虫! 資源を集めてこい!

 

『美徳』では、資源の獲得や、メインボード上に置かれた多様な種類のタイルの獲得、自分の駒を使った巡礼の旅などたくさんのアクションがありますが……

1つ1つの紹介は割愛させていただきまして、とりあえず美徳点へと至る方法がめちゃくちゃたくさん用意されているゲームだと思っていただければ大丈夫です。

 

これらのセットコレクション感や組み合わせ・コンボの妙も大きな魅力ではあるのですが、『美徳』の本当にイケてる点はもっともっとシンプルな部分にあると思っています。

それについて語るのは、後のお楽しみにとっておきましょう。

 

 

 

②解放済みのダイスを1個置く!

妖怪カードのプレイにより、ダイスが使えるようになったわね!

ということで、解放済みのダイスをメインボード上のダイススペースに配置して、示されているアクションを実行しましょう、的なやつです。

そうだね。ダイスプレイスメントだね。

 

各スペースはもちろん早いもの勝ち。

出目が大きいほどアクションが強くなって楽しいぞ!

 

そうそう出目と言えば、『美徳』に登場するダイスはいわゆる「振らないダイス」です。

じゃあどうやって出目を大きくすればいいかと言えば、メインボードへの配置時に「御守」と呼ばれる消費アイテムを使ってブーストします。御守を持って元気いっぱい飛び出していく妖怪、想像したらだいぶ可愛くないですか。

 

 

 

③配置済みのダイス1個で川を渡る!

え!? 川!? 何事!?

実は②で使ったダイス、メインボードへと置かれたらそこで終わりではなく、そこからさらに聖なる九里落雁川を渡ることで、もう一花咲かせることができちゃうんだね。

『美徳』はダイスプレイスメントでもあり、ダイスムーブメントでもあるわけだ。

 

川を渡るにはいくつか条件とルールがあるのですが、

 

・川を挟んで反対側のスペースに空きがある

ここも早いもの勝ちな!

 

・出目を1下げる

「聖なる九里落雁川を渡れるのは謙虚な者だけ」ということで、出目が1下がっちゃいます。出目下げる行為=謙虚なのか…?

よって、出目が1のダイスはそもそも川を渡ることができません。

「なるほど、じゃあダイスの配置時には、御守で出目を6までブーストしておくと安心やな!」と思ったそこのあなた! 甘ーい!

 

・ただし、元の出目が6であれば1ではなくて3下げる

なんでや!!!

妖怪界の謙虚観よく分かんないっす。

 

 

後述の冬フェイズでは、すべてのダイスはそのままの出目で個人ボードへと戻り、次のラウンドでも使用することになります。

この辺の出目マネジメント感も楽しくてハッピーです。御守使う……いや、でも6にしちゃってもな……1のやつ……1のやつだけ使う……

 

 

無事に川を渡ったダイスは、示されているアクションを実行。

デッキ構築よろしくより強い上級妖怪カードをゲットできるのもここですが、入手したカードは即手札に飛んでくるというおもしろ仕様です。

 

まだ個人ボードのカードスペースに空きがあれば、①妖怪カードを1枚出す!でこのラウンド中にもう出せちゃうんだね。

 

 

 

④パスをする!

妖怪カード3枚やダイス3個でのあれこれを終え、もうやること/やりたいことねえわ!となったらパスをしましょう。

あなたにとっての夏が終わり(センチメンタル)、以降あなたの手番は飛ばされます。

全員がパスをしたら……

 

 

 

秋! 手番順を変える!

このエリアのより上の方にダイスを置いてると、手番順が早くなるぞ! 的な。

手番順は能動的に変えに行かない限りは変わらないので、後手番のときは積極的に先手番を狙いに行きたいね、という話になります。

 

 

 

冬! クリーンアップ!

次ラウンドに向けた準備を色々と行います。

 

特筆すべきは、このラウンドで個人ボード上に置いた妖怪カードの取り回し

 

プレイしたカードから1枚を選んで……

 

こう!

 

リシャッフルのサイクルから外すことで、カード下部に示されている美徳点がゲットできます。デッキ圧縮と得点行動を兼ねるパターンのやつや!

 

初期デッキに含まれる妖怪カードからは大した美徳点は得られませんが、追加でゲットした上級妖怪カードは、セットでコレクションした要素をもとに大きな美徳点をもたらしてくれます。

でも上級妖怪カードはプレイ時の効果も強いんだよな!

リシャッフルのサイクルから外すタイミング難しい!

 

 

 

4ラウンド目の冬を終えるとゲーム終了!

全8ステップから成る大規模な最終得点計算を行い、最も多くの美徳点を獲得したプレイヤーの勝利です!

 

 


 

いや~~どうですか『美徳』

ボードに示された情報やアクションの種類数は膨大なものですが、基本的には

①カードを出す

②ダイスを置く

③ダイスを動かす

の3択と、シンプルな構造になっているのがお分かりいただけるかと思います。

 

個人的に『美徳』で一番クールだと思っているのも、実はこの基本構造の部分。

 

 

例えば、狙っていたアクションスペースにダイスが置かれてしまった! ショック!

しかーし! 待っていれば空くかも知れないんですよこのスペース。

 

なぜかって? ダイスは川を渡って、そのスペースからどいてくれる可能性があるからです。

 

 

よーしやっとどいてくれた! さあダイスで飛び込むぞ!

ってあーっ! 解放済みのダイスがない! この手番では妖怪カードをプレイしなきゃ……

そうこうしているうちに、狙っていたスペースは再び埋まってしまった……

 

 

あるいは別の場面。

よし! カードを3枚出し終えて、ダイスも3個とも置き終わった!

これからしっかり川を渡って……

ってあー! 川渡った先のスペースもうあんまり空いてないじゃん!

川渡り2回ぶん損しちゃった……

 

 

 

なんとなくニュアンス伝わったでしょうか!

このゲーム、ラウンドごとに ①カードを3枚出す、②ダイスを3個置く、③ダイスを3回動かす計9アクションをやるのが理想なわけですよ!

でも、うっかりアクションの順番を間違ってしまったり、他プレイヤーの妨害を真正面から受けてしまったりすると、物理的に可能なアクションが8アクション、7アクション……と減っていってしまうわけですよ!

かと言って、狙っているアクションがある場合には、アクション数効率だけ追い求めているわけにもいかなくて、変なところで無茶な行動を強いられたりするわけですよ!

 

 

こうした先取り感と効率追求のバランスの話って、結局ダイスプレイスメント(というかワーカープレイスメント)の一番おもしろい部分みたいなところあるじゃないですか。

そこでさらに

・カードを出すことでダイスが置けるようになる

・ダイスを置かないと川が渡れない

・川を渡るとダイススペースが空く

①~③の選択肢にガッツリ関連性を持たせることで、ものすごい密度のにらみ合いというか、意地の張り合いというか、ゴリッゴリの折衝が楽しめるわけですよ。

 

これがね~~~好きですね。超好きです。

そこに、多様な要素のセットコレクション感や組み合わせ・コンボの妙妖怪カードの取り回しの悩ましさ出目マネジメントの難しさまで詰め込んで、グッとまとめたのがこの『美徳』なのよ。

 

 

重たそう~~という印象をお持ちの方も多いかと思いますが(そして実際にゲーム的にも物理的にも重たいのですが)、それを理由に避けてしまうにはめちゃくちゃもったいないゲームだと思っています。

反対に、これぐらいのウェイトがお好みなら避けて通る理由が無いゲームであるとも、胸を張って言えます。

出会ってくれ~~この衝撃の百鬼夜行に!

 

 

 

余談ですが、原語版からの仕様変更により、日本語版では箱裏にゲームの概要や紹介を書くスペースが広めに取れました。

その最後の3行、この『美徳』熱を無理やり目な圧で醸すことができて、自分でも気に入っています。

 


 

そしてこれだけ熱く語っておきながらごめんなさい、ルールブックに1点エラッタがあります。

 

 

ルールブック 4ページ 「ゲームの準備」
ボードの準備 E

誤:2人プレイ時には、使わない1色の木霊マーカーを、
各領域の木霊トラックの4マス目(☓が示されています)に1個ずつ置きます。

正:2人プレイ時には、使わない1色の木霊マーカーを、
各領域の木霊トラックの5マス目(☓が示されています)に1個ずつ置きます。

 

詳細はこちらのページに記載していますが、ボードの仕様変更が英語ルールに反映されておらず、それがそのまま日本語版でも生きてしまった形です。

事前に防ぐことができた内容かと思っております。大変申し訳ございません。

 

 

エラッタ情報については、

・ルールブックに上記ページへと飛べるQRコードを掲載

・購入者専用のLINEアカウントを作成し、お友達になってくださった方に情報を発信

 

等さまざまな施策を組み合わせながら、ユーザーの皆さんへの周知を図っていきます。

 

美徳 LINEお友達登録
https://line.me/R/ti/p/@925mdznu

 

エラッタそのものを減らす/無くす努力はもちろん重ねていく一方で、もし出てしまったときにどうするかについても、しっかり考えていきたい所存です。

正しいルールで楽しく遊んでいただけるよう、試行錯誤を続けていきます。

 


 

その他補足情報!

 

ソロルールもあるよ!

AI天狗と戦いな!

天狗の行動パターン表の分岐量がヤバい!

 

 

 

『Silk』という別ゲームのプロモが入ってるよ!

『美徳』には、同じくDevir社よりリリースの『Silk』というゲームのプロモタイルが同梱されています。

たまたま『Silk』持ってるぜ!という方がいらっしゃれば是非遊んでいただければと思うのですが、現状ケンビルでは『Silk』の取り扱いがなく、今後も取り扱いの予定はございません。

ので、こちらのプロモの使用方法や詳細についてはサポート外とさせていただきます。あらかじめご了承下さい。

 


 

そんな『美徳 日本語版』は、現在ケンビルwebショップにて好評予約受付中!

8月15日(月)までのご予約で、一般発売より早めにゲットできちゃいます!(8月19日頃発送予定)

 

また、ケンビル公式通販サイトでは、2,200円以上のケンビル出版製品(予約商品も可)を1点でも含むご注文は送料無料(北海道・東北も含む)となっています! なんそれ!

『美徳 日本語版』も『リビング・フォレスト 日本語版』もちろん送料無料の対象!

全国どこでも送料を気にせず、ご利用いただければ嬉しいです!

 

「美徳 日本語版」予約ページ

※ご予約商品と同時にご購入された商品は、ご予約商品発送時に併せて発送させていただきます。

※ご予約商品を含むご注文に関しては、日時指定を承ることができません。モールの仕様上入力は可能ですが、ご注文処理時には反映されません。あらかじめご了承下さい。

 

 

『美徳 日本語版』『リビング・フォレスト 日本語版』は、9月2日(金)より、全国のショップ様でもお買い求めいただけるようになる予定です。

ご贔屓のショップ様でのご購入も、是非ご検討いただければと思います。

 

 

 

さあ、召しませ似非ジャパ妖怪奇譚!

『美徳 日本語版』、何卒よろしくお願いいたします!

最後までお読みいただき、ありがとうございました!